2014年3月の読書メーターまとめ

2月分に続いて、3月分のまとめです。
3月に読んだ本はわずか5冊(!)でしたが、読んだのは全てが傑作という稀有な月になりました。少ないけれどこんなに濃い読書月間はないかも知れません。


2014年3月の読書メーター
読んだ本の数:5冊
読んだページ数:1658ページ
ナイス数:97ナイス

小さな異邦人小さな異邦人感想
連城三紀彦さん最後の短編集にして、ミステリの最前線のまだ先を見据えていたかのような傑作集。男女の機微を妖しげに描きながら、驚愕の仕掛けをこれでもかと突きつけてくるミステリ魂には感動するしかない。「無人駅」「冬薔薇」「白雨」などが印象に残ったが、「小さな異邦人」が断トツに突き抜けている。これは日本のミステリ短編史に残るだろう。これが生涯最後の作品なのが信じられない。ミステリファンは必ず読むべし。
読了日:3月31日 著者:連城三紀彦
代償 (単行本)代償 (単行本)感想
傑作。とにかく嫌な気持ちにさせる人物がいて、本当にどうしようもない奴はどうしようもないことを痛感させられる。そいつに散々な目に遭わされてきたのに、あくまで正攻法で対決する主人公の姿に打たれる。クライマックスの爽快感を味わってもらうためにも、どんなに嫌な気持ちになっても読み通すことをお薦めする。伊岡さんのブレイク作になるだろう。
読了日:3月30日 著者:伊岡瞬
満願満願感想
大傑作。こういう小説こそ私が読みたかったタイプのミステリばかり。「夜警」「満願」のようなモチーフの作品が特に好みだが、収録作はどれもハイレベルだった。初期の連城三紀彦を彷彿とさせる作品群だ。
読了日:3月26日 著者:米澤穂信
読み出したら止まらない!  国内ミステリー マストリード100 (日経文芸文庫)読み出したら止まらない! 国内ミステリー マストリード100 (日経文芸文庫)感想
国内ミステリガイド本だが、この種のガイドにありがちな超定番作品をあえて外してあるのが新機軸。古いマニアも、最近ミステリファンになった若い世代も、読み潰しの楽しみが増えるだろう。
読了日:3月17日 著者:千街晶之
亡霊ふたり (ミステリ・フロンティア)亡霊ふたり (ミステリ・フロンティア)感想
名探偵志願の少女と殺人者志願の少年の物語。後半がサスペンスフルで面白かったが、ミステリよりも青春小説としての要素が強いように感じた。伝説の殺人鬼・佐藤誠の話が時折出てくるので、『遠海事件』を読んでおくとより楽しめるだろう。
読了日:3月17日 著者:詠坂雄二

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