『りぼんの付録全部カタログ』のAmazonカスタマーレビューが低すぎる問題

Amazonで本を買う際に、カスタマーレビューを参考にされる人は多いと思う。私も時々参考にしている。昔からも雑誌の新刊レビューを参考にしていたので、その感覚に近いと思う。ただ、Amazonレビューは基本的にプロ書評家ではなく、一般の読者が多いので、それに親和性を感じることもあれば、違和感を覚えることもある。


作者の知り合いだったり、場合によっては当人が、わざと高評価を付けるケースもあるだろう。自己啓発本や宗教関係の本にそんなケースが多いように思う。
逆に、低評価が集中することもある。それは作品の社会性が反映されていたり、人気作で多くの人が入手するがゆえに賛否両論だったりすることがある。
例えば『絶歌』は8/6現在、1,951件のカスタマーレビューのうち1,466件が星1つだ。出版そのものが問題視されただけあって、厳しい意見が多い。しかし星5つも237件ある。

絶歌

絶歌


『火花』は星5つが149件、星1つは136件だ。賛否両論である。


そんな中、最近、ふとしたことから、異常に評価の低い本を発見した。
『りぼんの付録全部カタログ』だ。

りぼんの付録 全部カタログ ?少女漫画誌60年の歴史?

りぼんの付録 全部カタログ ?少女漫画誌60年の歴史?


雑誌「りぼん」が60周年ということで、それを記念して出た、今までの付録を網羅したデータ本である。
この本のAmazonカスタマーレビューを見ると、8/6現在で、48件中なんと33件が星1つなのだ。
その内容も手厳しい。

「届いた本を見てがっかり」
「コレジャナイ感」
「全ページカラーだと思っていたのに、文章ばかり」……

この本の実物を見たのだが、確かにサイズは小さいし(B6版)、オールカラーではない。しかし、現物を見れば、そんなにガッカリはしない気がした。データベースとしてはしっかりしているし、当時の付録の写真は多いし、懐かしさは間違いなく感じられるはずなのだ。
この低評価ぶりは、「現物を確認しないまま買う」ことになるネット通販の弱点を露呈しているのではないか、と感じたのだ。期待値を下回った結果、低評価になったのは仕方がない部分もあるが、これは本そのものの評価とは少し乖離しているようにも思えるのだ。ネット通販の難しさ・怖さをこの事例から感じたので、本稿を書いてみた次第である。