2017年1冊目の読書は「文庫X」のコミック版だ

VS. ―北関東連続幼女誘拐・殺人事件の真実- (愛蔵版コミックス)

VS. ―北関東連続幼女誘拐・殺人事件の真実- (愛蔵版コミックス)

2017年1冊目の読書は、意外にもコミックとなりました。『VS. 北関東連続幼女誘拐・殺人事件の真実』(集英社ヤンジャンコミックス)です。日本テレビバンキシャ!」などで長期間キャンペーン放送された、北関東連続幼女誘拐・殺人事件の取材の経緯を、「テラフォーマーズ」の橘賢一さんがコミック化した本です。結果的に、足利事件の冤罪を証明し、菅家さんを無罪に導いた取材でした。
実はこのコミックが出たのが2010年。その後、このコミックでもメインで登場する記者の清水潔さんがこの調査報道を『殺人犯はそこにいる』として刊行したのは2013年のこと。2016年に文庫化した同書は、この年の出版界で最も話題になった「文庫X」としてベストセラーになりました。こういう本でもやり方次第で売れるのだ、ということを証明した形です。
その影響で、このコミックが重版されたようです。私が手にした本はこうなっています。

帯に大きく「文庫X」の文字が!
もうひとつ注目すべきは、奥付の発行日です。

2010年3月に発行されたコミックが、2016年12月になって第2刷が出た、ということです。つまり、このコミックは発売されたものの重版することなく、ひっそりと忘れ去られようとしていたところに、「文庫X」ブームで緊急重版された、ということになります。これも「文庫X」ムーブメントがもたらした効果といえるでしょう。
そうして読んだ『VS. 北関東連続幼女誘拐・殺人事件の真実』は、読み応えのあるコミックでした。ぜひ「文庫X」を読んだ皆さんにもお薦めします。
殺人犯はそこにいる (新潮文庫)

殺人犯はそこにいる (新潮文庫)