私が必ずチェックする二人のノンフィクション作家
私はミステリマニアなので、基本的にはミステリを読んでいるわけですが、時々違うジャンルの本も買うし読んでいます。ノンフィクションは気分的にもいい切り替えになりますが、内容的にはハードなものも多いですね。でもそういうのが楽しみだったりもします。
そんななか、いま必ずチェックしているノンフィクション作家が二人いまして、この方の本が出ると必ずチェックするようにしています。全部が全部は読めてませんが、なるべく買って読むようにしています。
このエントリーでは、私が注目しているノンフィクション作家を簡単に紹介します。
一人目は辻田真佐憲さんです。日本の軍歌を紹介した本でデビューされ、以降、君が代や大本営発表などをテーマにした本を出されています。プロパガンダ的な本ばかり出されていますが、がっつりな保守派ではなく、かといって反対派でもなく、一歩引いた目線で客観的に評論されているのが特徴です。
去年出されたのは『大本営発表』(幻冬舎新書)1冊のみですが、私は個人的に去年のベストノンフィクションだと思っている本ですね。太平洋戦争中に発表された大本営発表をすべて研究し、いまでは「誇張表現」「嘘報道」の代名詞となっている大本営発表がいかに虚構にまみれていったのか、当時の空気が伝わってきます。と同時に、現代の日本にも似たような空気を感じないか、という警鐘を鳴らしているようにも感じます。
辻田さんの本では、他に『日本の軍歌』『ふしぎな君が代』(どちらも幻冬舎新書)もお薦めです。
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二人目は中川右介さん。元々クラシック音楽誌の編集長をされていたので、クラシックの歴史などにお詳しい方ですが、芸能界、歌舞伎、映画など、幅広い世界に精通されており、それを時系列にまとめた著書が多いです。数多くの資料にあたり、記憶頼りで書いていないので信頼性もあり、また中川さんも辻田さんと同じく、誰かに肩入れしない、客観的な視点で冷静に描かれているのが特徴です。文章からドラマ性が浮かんでくるのもすごい。
去年はたくさんの本を出されていますが、個人的ベストは『角川映画』(角川文庫)。ソフトカバーで出した本の文庫化ですが、やはり何度読んでも素晴らしい。角川春樹が隆盛を極めていた頃の「角川映画」の歴史をまとめています。
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- 作者: 中川右介
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松田聖子と中森明菜 [増補版] 一九八〇年代の革命 (朝日文庫)
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昭和45年11月25日―三島由紀夫自決、日本が受けた衝撃 (幻冬舎新書)
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お二人の2017年の作品も楽しみにしております。ちなみに中川さんは、日本探偵小説史の出版に向けて執筆中のとことです。