2017年ブレイク必至のミステリ作家を、一人だけ挙げておきます。

自分の店で、あるいはチェーン店で、「今年きっとブレイクするミステリ作家フェア」というのを時々やってきました。2012年に初めてやったのですが、その後2013年、2016年にも同様のフェアをやりました。ここで採り上げた作家さんをざっと振り返ってみます。

2012年(次世代ミステリ作家フェア)
飴村行
初野晴
長岡弘樹
長沢樹
梓崎優
円居挽
滝田務雄
福田和代
月村了衛


2013年
小嶋達矢
友井羊
宮内悠介
似鳥鶏
伊岡瞬
門井慶喜
鯨統一郎


2016年(今年はこの作家がブレイクするぞ!フェア)
井上真偽
白井智之
早坂吝
深緑野分
下村敦史
周木律
深木明子
青崎有吾
本城雅人
田丸雅智

いかがでしょう。なかなか鋭いところを突いてると思いませんか? 2013年の宮内悠介さんはまだ『盤上の夜』しか出てなかった頃ですよ。


2016年も本ミス一位の井上真偽さん、直木賞候補になった深緑野分さん、今や若手ショートショート作家の旗手と言っても過言ではない田丸雅智さんなど、いいセレクトです。自分のセンスが、というよりは、活躍された作家さんがすごいんですよ。


さて、今年2017年はまだ同様のフェアはやってないのですが、今年のブレイク作家を一人、ここで予言しておきましょう。
芦沢央さんです。
……え、とっくに売れてるって? もちろんです。しかしきっと、今以上に売れる人気作家になるだろう、ということです。そうなって欲しいのです。
芦沢さんのデビュー作『罪の余白』は映画化もされました。

罪の余白 (角川文庫)

罪の余白 (角川文庫)

ただ実はごめんなさい、これは私は未読です。『今だけのあの子』は読んでます。
本格的に注目するようになったのは、2016年最初に読んだ『いつかの人質』でした。こりゃすげえ、思わぬ拾い物だ、と思いました。
いつかの人質

いつかの人質

そしてあれですよ、『許されようとは思いません』ですよ。これはミステリ短編集の歴史に残る、いや、残すべき作品集ですね。
許されようとは思いません

許されようとは思いません

そして去年出たもう一つの作品が『雨利終活写真館』です。「遺影専門の写真館」という舞台で、人の生と死に絡んだミステリが描かれます。意外な真相の向こうに浮かび上がる人間たちの温かみに感動しますよ。
雨利終活写真館

雨利終活写真館

というわけで、今年はもっと売れて欲しい、と応援しております。皆さんも読んでみてくださいね。