山本敏行『iPhoneとツイッターで会社は儲かる』
- 作者: 山本敏行
- 出版社/メーカー: 毎日コミュニケーションズ
- 発売日: 2010/02/23
- メディア: 新書
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梓崎優『叫びと祈り』
- 作者: 梓崎優
- 出版社/メーカー: 東京創元社
- 発売日: 2010/02/24
- メディア: 単行本
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「ミステリーズ!新人賞」受賞作「砂漠を走る船の道」は、授賞パーティーで当時の選考委員だった綾辻さんが激賞された作品。これが冒頭に置かれ、さらに続く短編も、異郷の地で起こる事件のロマン性と驚愕のロジック・動機で唸らせる。ロシアの修道院での「不朽体」を巡る事件「凍れるルーシー」と、エボラ出血熱で滅び行く集落で人為的に起こる連続殺人「叫び」の発想が特に素晴らしい。こういう本格ロジックを読みたかった、と思わせる。
最後の「祈り」は、ややトーンダウンしてしまっているが、美しい終わり方である。
門前典之『屍の命題』
- 作者: 門前典之
- 出版社/メーカー: 原書房
- 発売日: 2010/02/19
- メディア: 単行本
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雪で外界から遮断された館で起こる連続殺人。最終的にみんな死んでしまうが、最後まで残っていた二人が残した手記で、恐るべき殺戮劇が描かれる。なんといっても、「雪の中を歩く巨大カブト虫」は、島田荘司を彷彿とさせる奇想だ。
誰もいなくなった後で館に乗り込んだ建築士・蜘蛛手によって事件の真相が明らかになるのだが、この仕掛けの奇抜さは、いやはやよくやったわ、と感心するしかない。同様の趣向の有名な先例(T・Aさんの某長編)もあるが、パターンが逆なのでさらにアクロバティックである。あまりにも奇抜であるがゆえに所々に無理があるのだが、それも含めて、こんな不可能状況を作り上げただけでもう凄い、と言わざるを得ない。
森雅裕『高砂コンビニ奮闘記』
- 作者: 森雅裕
- 出版社/メーカー: 成甲書房
- 発売日: 2010/01/21
- メディア: 単行本(ソフトカバー)
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コンビニでの悲喜こもごもが描かれているが、やはり作家だけあって面白い。かなり細かいことまで書かれているので、深夜コンビニも結構大変な仕事だなあというのが良く分かるし、お客さんとのトラブルやクレームなど、同じ接客業をやっている者として、非常に共感できる。
森雅裕ファンにとっては、最終章などは涙なしに読めないだろう。
「インターネットで選ぶ本格ミステリ大賞」今年も開催します!
お待たせしました。今年も「インターネットで選ぶ本格ミステリ大賞」を開催いたします。
「インターネットで選ぶ本格ミステリ大賞」とは……
本格ミステリ作家クラブによって行われている「本格ミステリ大賞」を私たちも洒落でやってしまおう、という企画です。
2002年の『ネットミステリ者が選ぶ「本格ミステリ大賞」』から始まったこの企画も今年で9回目になります。
過去の受賞作は、
- 2002年:芦辺拓『グラン・ギニョール城』 (オフィシャルの受賞作は山田正紀『ミステリ・オペラ』)
- 2003年:西澤保彦『聯愁殺』 (オフィシャル版は乙一『GOTH』と笠井潔『オイディプス症候群』)
- 2004年:谺健二『赫い月照』 (オフィシャル版は歌野晶午『葉桜の季節に君を想うということ』)
- 2005年:芦辺拓『紅楼夢の殺人』 (オフィシャル版は法月綸太郎『生首に聞いてみろ』)
- 2006年:東野圭吾『容疑者Xの献身』(オフィシャル版と同結果)
- 2007年:道尾秀介『シャドウ』(オフィシャル版と同結果)
- 2008年:三津田信三『首無の如き祟るもの』(オフィシャル版は有栖川有栖川『女王国の城』)
- 2009年:牧薩次『完全恋愛』(オフィシャル版と同結果)
となっております。
(毎度ながら念のため申し上げておきますが、これは公式の「本格ミステリ大賞」に対する批判やアンチテーゼでは、決してありません。投票権のない私たちで票を集めてみれば、これはこれで面白い結果が出るのではないか、という興味、要は「洒落」であり、「面白そうな投票企画に参加しているつもりになってみよう」という気持ちだと思っていただければと思います。どんな結果が出たとしても、それはそれで面白いのでは、というだけのことです。ご理解をいただければと思います。)
基本ルールは去年までと同様です。
今年の「本格ミステリ大賞」候補作は今年も既に決定・発表されています。以下の5作品です。(作品名の50音順)
- 作者: 綾辻行人
- 出版社/メーカー: 角川書店(角川グループパブリッシング)
- 発売日: 2009/10/30
- メディア: 単行本
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- 作者: 米澤穂信
- 出版社/メーカー: 集英社
- 発売日: 2009/08/26
- メディア: 単行本
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- 作者: 深水黎一郎
- 出版社/メーカー: 講談社
- 発売日: 2009/09/08
- メディア: 単行本
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- 作者: 歌野晶午
- 出版社/メーカー: 講談社
- 発売日: 2009/08/07
- メディア: 新書
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- 作者: 三津田信三
- 出版社/メーカー: 原書房
- 発売日: 2009/12/07
- メディア: 単行本
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以上の中から、一作品だけを選び、その理由をコメントとして書き添えて投票してください。
投票はメールの形でお願いします。
1.あなたが「本格ミステリ大賞」に相応しいと考える作品を1つ挙げてください。
2.その理由を述べてください。
「理由」に字数制限は設けません。オフィシャル投票では、コメントは200字以上となっていますが、こちらでは字数制限はありません。ただし、なるべく全ての作品を読んでいることが判るように、全ての作品に何らかのコメントをつけてくださると嬉しいです。
3.同時に一点、アンケートを行います。オフィシャルの「本格ミステリ大賞」を受賞するのはどれだと思いますか? その予想も書いてください。(これはここの企画の結果ではなく、本格ミステリ作家クラブによる実際の投票結果の予想です)
以下のメールフォームをコピーしてご利用ください。
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・お名前(ハンドルネーム)
・メールアドレス
・HPアドレス(あれば)
1.投票作品名
2.理由、およびコメント
3.オフィシャルの受賞作品予想
4.その他、この企画そのものへの感想など、ご自由にコメントを
(この欄に書かれた文章は公表いたしません)
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メールの送り先は政宗まで。
masamune_q@yahoo.co.jp
です。
こちらの振り分けの都合上、「件名」欄のどこかに「本格ミステリ大賞」の文字を含めておいていただけると助かります。
また今年は、ツイッターによる投票も募集することにします。投票方法については、ダイレクトメッセージによる投票を考えています。ツイッターの投票は締め切り直前の一定期間のみ有効とします。詳細は後日発表しますので、現時点ではメールでの投票をご利用ください。
→申し訳ありません。ツイッターでの投票形式が難しいと思ったので、メールのみの投票に一本化します。よろしくお願いします。
[注意事項]
- 一人一票です。厳守してください。もし同一人からの複数の投票があった場合は、それらの全てを無効票とします。アドレスを変えての投票も無効です。
- 必ず「候補作全て読んだ」方のみ投票してください。
- 「投票者」と「理由、およびコメント」は全文掲載します。「自由コメント」は一切掲載しません。関連する話題で公開希望される内容は「理由、およびコメント」欄に併せてご記入ください。掲載のフォーマットなどは、昨年の結果発表ページをご参照ください。→ http://d.hatena.ne.jp/mmmichy/20080514#1210727152
投票受付期間は、3月4日(木) 〜 5月13日(木) 23:59 とします。(締め切り日時は変更の可能性がありますが、オフィシャル版の開票日を過ぎることはありません)
発表はオフィシャルの「本格ミステリ大賞」が決定した後になります。オフィシャル版は5月15日(土)に公開開票式が行われる予定です。
なお、「インターネットで選ぶ本格ミステリ大賞」、私の主催で行うのは今年が最後になります。
(来年からは私はやりません。興味のある方には「開催権」をお譲りしますので、お問い合わせください)
では、今年も奮ってご投票ください! よろしくお願いします。