book

ネット黎明期の「早すぎたネット小説」2作品

いま、電子書籍界隈でめちゃくちゃ売れてると思われる作品が2つある(コミックを除いて)。 ひとつは、言わずと知れた『火花』だ。火花 (文春e-book)作者: 又吉直樹出版社/メーカー: 文藝春秋発売日: 2015/06/11メディア: Kindle版この商品を含むブログ (8…

キング・オブ・トラウマ映画化表紙は、坂口安吾『不連続殺人事件』である

昔も今も、映画化やドラマ化された原作小説は連動してよく売れる。 そしてもちろん、出版社もそれを大いに宣伝し、表紙やオビを大きく変えてくる。 よく知られているように、メディアミックス戦略は角川春樹と角川文庫が発明した宣伝手法であり、そのため昔…

未来の東野圭吾ファンが必死になって探す(かも知れない)入手困難本は、『禁断の魔術』(ソフトカバー版)である

東野圭吾の人気シリーズのひとつ「ガリレオ」シリーズは、最初はいたって地味に始まったと思う。 第一弾の『探偵ガリレオ』がハードカバー単行本として刊行されたのは1998年。今ネットで調べてみると、東野圭吾の本格ブレイクになった『秘密』が出る直前で、…

2つの異なるアプローチからやって来た“江戸川乱歩ブーム”

最近、スマッシュヒットしている江戸川乱歩の小説があることをご存知だろうか。 『幽霊塔』である。幽霊塔作者: 江戸川乱歩,宮崎駿出版社/メーカー: 岩波書店発売日: 2015/06/06メディア: 単行本この商品を含むブログ (14件) を見る 乱歩作品の中でもさほど…

又吉直樹『火花』ブームから振り返る、「芸人小説」のいくつか(ちょっと隠し玉もあるよ)

火花作者: 又吉直樹出版社/メーカー: 文藝春秋発売日: 2015/03/11メディア: 単行本この商品を含むブログ (160件) を見る又吉直樹の『火花』芥川賞受賞は、もはや異常な盛り上がりである。 全国の書店からあっという間に在庫が消えた。 そのちょっと前、「ア…

『連城三紀彦レジェンド 傑作ミステリー集』

講談社文庫から、綾辻行人・伊坂幸太郎・小野不由美・米澤穂信の4人の選者による連城作品アンソロジー『連城三紀彦レジェンド 傑作ミステリー集』が発売された。連城三紀彦 レジェンド 傑作ミステリー集 (講談社文庫)作者: 連城三紀彦,綾辻行人,伊坂幸太郎,…

2014年10月の読書メーターまとめ

ちょっと久しぶりになりましたが、どうしても更新したいネタがあったので、その前に調整更新です。 2014年10月の読書メーター読んだ本の数:10冊読んだページ数:3505ページナイス数:102ナイスフライプレイ!: 監棺館殺人事件 (ミステリー・リーグ)の感想凡…

連城三紀彦さんの最後の短編集『小さな異邦人』は必読だ

小さな異邦人作者: 連城三紀彦出版社/メーカー: 文藝春秋発売日: 2014/03/10メディア: 単行本この商品を含むブログ (13件) を見る 連城三紀彦さんのラスト作品集『小さな異邦人』(文春)が凄い。 どの短編も連城さんらしい、男女の機微を描きながら大きな仕…

2014年3月の読書メーターまとめ

2月分に続いて、3月分のまとめです。 3月に読んだ本はわずか5冊(!)でしたが、読んだのは全てが傑作という稀有な月になりました。少ないけれどこんなに濃い読書月間はないかも知れません。 2014年3月の読書メーター読んだ本の数:5冊読んだページ数:1658…

(調整更新)2014年2月の読書メーターまとめ

すみません、またも1ヶ月遅れの調整更新です。3月分は4月に入ったらすぐにアップしたいと思います。2014年2月の読書メーター読んだ本の数:9冊読んだページ数:3117ページナイス数:161ナイス角川映画 1976‐1986 日本を変えた10年 (単行本)の感想角川映画が…

(調整更新)2014年1月の読書メーターまとめ

もう2月も終わりなので、先に調整更新として、1月の読書まとめを貼り付けます。2014年1月の読書メーター読んだ本の数:9冊読んだページ数:2105ページナイス数:96ナイス島はぼくらとの感想瀬戸内の島の高校生男女の青春小説、と思ってたら、いい意味で裏…

泡坂妻夫の幻の怪作『生者と死者』がついに復刊されます!

去年の秋に、泡坂妻夫さんの『しあわせの書』が突然プチブレイクしたのをご存知でしょうか。しあわせの書―迷探偵ヨギガンジーの心霊術 (新潮文庫)作者: 泡坂妻夫出版社/メーカー: 新潮社発売日: 1987/07/31メディア: 文庫購入: 24人 クリック: 286回この商品…

「図書新聞」にてコラムを寄稿しています/第4回目までのまとめ

業界紙のひとつ、週刊で発行されている「図書新聞」(大きな書店などで入手できます)には、書店員によるオススメ本コラムが毎号掲載されています。4人の書店員が週替わりで全6回担当します(つまり、約半年間担当することになります)。実は現在、そのメ…

「クラシックプレミアム」創刊

小学館から、隔週刊のCD付きマガジン「クラシックプレミアム」が創刊されました。【SHM-CD付】創刊特別号:〔カルロス・クライバー ザ・コンサート〕ベートーヴェン 1 1/21号 (隔週刊 クラシックプレミアム)出版社/メーカー: 小学館発売日: 2014/01/04メディ…

この世で最も美しい太陽系写真集『プラネットフォール』

昨年末、大きなサイズの写真集が新潮社から出ました。『プラネットフォール』です。プラネットフォール作者: マイケルベンソン出版社/メーカー: 新潮社発売日: 2013/12/20メディア: 大型本この商品を含むブログを見るプラネットフォール 惑星着陸 [ マイケル…

2014年最初の購入本:『ケプラー予想』

2014年最初に買った本はこれです。ケプラー予想: 四百年の難問が解けるまで (新潮文庫―Science&History Collection)作者: ジョージ・G.スピーロ,George G. Szpiro,青木薫出版社/メーカー: 新潮社発売日: 2013/12/24メディア: 文庫この商品を含むブログ (9件)…

2013年12月の読書メーターまとめ

2013年12月の読書メーター読んだ本の数:15冊読んだページ数:3441ページナイス数:123ナイス本の逆襲 (ideaink 〈アイデアインク〉)の感想「本」と「本屋」の可能性を改めて感じさせてくれる本。「書店」と「本屋」は違う、これからの新刊書店は「掛け算型…

2012年12月に読んだ本(via 読書メーター)

※さきほど「昨年読んだ本」を投稿しましたが、長すぎてカットされてしまったようですので、月間に変更して再投稿します。 2012年12月の読書メーター読んだ本の数:15冊読んだページ数:4348ページナイス数:96ナイスブラウン神父の無心 (ちくま文庫)の感想ブ…

今年のベスト本3冊

どうもご無沙汰しております。もう年末ですので、今年読んだ本から、「一般小説」「ミステリ」「ノンフィクション」の3部門から一作品ずつ、今年のベスト本として紹介します。 ・一般小説部門 百田尚樹『海賊とよばれた男』(講談社) 海賊とよばれた男 上…

ミステリーズ!新人賞

第9回「ミステリーズ!新人賞」が発表されました。 ミステリーズ!新人賞 | 東京創元社 近田鳶迩さん、本当におめでとうございます!!

2012年6月の読書メーターまとめ

すみません、今日で7月も終わりなので、今更ながら調整更新です。 6月の読書メーター読んだ本の数:10冊読んだページ数:3041ページナイス数:64ナイスクローバー・レイン (一般書)これは素晴らしい作品ではなかろうか。一冊の本が出来るまでに、これほどの…

文庫解説を書きました/倉阪鬼一郎『下町の迷宮、昭和の幻』(実業之日本社文庫)

先月の我孫子武丸『さよならのためだけに』に続いて、今月も文庫解説を書かせていただきました。倉阪鬼一郎さんの『下町の迷宮、昭和の幻』です。下町の迷宮、昭和の幻 (実業之日本社文庫)作者: 倉阪鬼一郎出版社/メーカー: 実業之日本社発売日: 2012/06/05…

2012年5月に読んだ本(Powered by 読書メーター)

ほとんど月一回、読書メーターのまとめのための更新になりつつありますが、記録として残すためですのでご了承ください。 5月の読書メーター読んだ本の数:6冊読んだページ数:2095ページナイス数:70ナイスきみはいい子 (一般書)全ての人の心に必ず突き刺さ…

文庫解説を書きました/我孫子武丸『さよならのためだけに』(徳間文庫)

手前味噌ではありますが、ひとつだけ宣伝です。 今月の徳間文庫の新刊、我孫子武丸さんの『さよならのためだけに』の文庫解説を書かせていただきました。実は、初めての文庫解説です。気負い込んでしまい、全体的にやや硬めになってしまったと反省しています…

本格ミステリ大賞

第12回本格ミステリ大賞が、本日の公開開票式にて決定した模様です。 小説部門 城平京『虚構推理 鋼人七瀬』(講談社ノベルス) 皆川博子『開かせていただき光栄です』(早川書房) 評論・研究部門 笠井潔『探偵小説と叙述トリック』(東京創元社) 小説部門…

2012年4月の読書まとめ(Powered by 読書メーター)

既に5月も12日ですが、記録として置いておかないと後々困るので、4月のまとめを置いておきます。 4月の読書メーター読んだ本の数:8冊読んだページ数:2174ページナイス数:88ナイスパラダイス・ロストシリーズ三作目になると、キャラに寄り掛かってきた…

2012年3月に読んだ本(Powered by 読書メーター)

3月の読書メーター読んだ本の数:12冊読んだページ数:3560ページナイス数:92ナイス綺譚の島 (ミステリー・リーグ)うーむ。奇想の数々は魅力的だし、真相も「おおっ」と思わせるネタも多数あるが、全然駄目駄目なのもあって全体的には微妙な印象。海老原も…

2012年2月の読書メーター

2月の読書メーター読んだ本の数:19冊読んだページ数:5025ページナイス数:104ナイス中途半端な密室 (光文社文庫)初期作品集。この段階で既に現在の作風が固まっており、一貫した創作姿勢に感心する。ただまだこの頃には「ギャグに伏線を織り込む」ことまで…

2012年1月の読書まとめ(読書メーターより)

1月の読書メーター読んだ本の数:26冊読んだページ数:7486ページナイス数:149ナイスこれはペンです理解出来たのかと聞かれると、理解は出来ていない。しかし、面白かったかと聞かれれば、間違いなく「面白かった!」と答える、そんな作品。「良い夜を持っ…

角川文庫「山田風太郎ベストコレクション」の作家推薦帯をまとめてみた

角川文庫で現在刊行中の「山田風太郎ベストコレクション」。9月は『誰にも出来る殺人/棺の中の悦楽』と『夜よりほかに聴くものもなし』の2点が刊行された。誰にも出来る殺人/棺の中の悦楽 山田風太郎ベストコレクション (角川文庫)作者: 山田風太郎出版…